初めて乳歯が抜ける時は、本人だけでなく、家族にとっても一大イベントです。
いつ抜けるかドキドキ待ちわびていて、いざ乳歯が抜けたあと、歯肉が赤く腫れていて心配になったことはありませんか?
乳歯が抜けたあとをよく見てみると、赤くぷくっと膨れていることがありますが、その正体は肉芽と呼ばれる治り途中の組織なんです。
肉芽は触ると多少は痛みますが、ほとんどが自然に治るんですよ。
今回、二児の母であり、小児歯科で歯科衛生士として働いている私が、乳歯が抜けたあとの肉芽についてや、注意事項を紹介したいと思います。
乳歯が抜けたあとの肉芽は自然に治る!
子どもの歯が抜けたあと、歯ぐきが赤く膨らんでるけど大丈夫?
乳歯が抜けたあとの歯肉の膨らみは、肉芽と呼ばれる組織で、そのほとんどが自然に治ってしまいます。
初めて肉芽をみると、かなり赤く腫れ上がっているのでビックリしてしまいますよね。案外、抜けた本人は痛みもなくケロッとしているものです(笑)
ここでは、肉芽についてわかりやすく解説したいと思います。
肉芽とは?
乳歯は抜ける時期になると、ゆっくりと根っこや神経が吸収され、中が空洞になります。
根っこが吸収されるから歯がグラグラするんですね。
根っこが吸収した歯の中は、血液でいっぱいになり、乳歯が抜けたあと治ろうとしている組織だけが空洞の形に残ってしまうんです。これが肉芽です。
肉芽は治療が必要?
触らなければ痛くなく、出血も止まっている場合、個人差はありますが、肉芽は2~3日も経過すれば徐々に消失していきます。
肉芽の大きさは、空洞が大きいほど肉芽も大きく残るので、初めて肉芽を見るとびっくりしてしまい、歯医者へ連れて行くべきか悩んでしまいますよね。
しかし、焦らずにしばらく様子をみてくださいね。肉芽は触れば出血もしますし、多少の痛みはあるものです。
ご自身で判断が難しい場合、かかりつけの歯医者さんに電話で相談しましょう。
乳歯が抜けたあと痛い!対処法は?
乳歯が抜けたあとの痛いのは問題ないの?
乳歯が抜けたあとは傷口ですので、しばらくは多少の痛みもあり、出血もします。乳歯が抜けたあと、症状が肉芽だけなら処置は特に必要ありません。
しかし、以下の場合にはかかりつけの歯医者さんに連絡しましょう。
- 歯の根っこが残っている
- 出血が多量で止血しても止まらない
- 触ってないのに痛い
- 酷く腫れている
このような症状がある場合や、様子をみていたけど症状が悪化した場合には、歯医者さんを早めに受診することをおすすめします。
【歯の根っこが残っている】
乳歯が抜ける時期や抜け方には個人差があり、中にはうまく根っこが吸収されないことがあります。
万が一、乳歯の小さな破片が残っていたとしても、体が異物と判断して自然に体の外へ排出されるので心配はいりません。
しかし、明らかに折れて大きく根っこが残ってしまった場合、永久歯が生えるのを邪魔したり、そこから感染したり、トラブルの原因になります。
【出血が多量で止血しても止まらない】
ごくまれに、止血しても出血が止まらないことがあります。以下の点を確認して、歯医に連絡しましょう。
- 服用している薬がある
- 普段から血が止まりにくい
- 抜けた傷以外に症状がある
他にも、気付いたことがあればメモしておくと安心です。歯医者に受診した時に、慌てずに症状を伝えることができますよ。
【触ってないのに痛い】
乳歯が抜けたあと、傷口なので多少の痛みはあります。しかし、食事ができない痛みや継続的な痛みは他の原因があるかもしれません。
その多くは、感染して化膿していることが原因です。
【酷く腫れている】
乳歯が問題なく抜けたあとは、トラブルも少ないですが、根っこが上手く吸収されずに残っていたり、抜ける途中に感染して腫れたりすることもあります。
乳歯が抜ける時、子どもは気になって触ってしまうこともありますよね。
汚れた手で傷口を触ってしまうと感染症を引き起こし、炎症が起きて化膿することがあります。
異変に気付いた時点で、かかりつけの歯医者さんに相談してくださいね。
抜歯とは違い自然に抜けているので、心配しすぎる必要はありませんが、乳歯が抜けたあと、血行が良くなることで出血し、痛みが増すこともあります。
乳歯が抜けた当日は、激しい運動や長風呂などはやめておくと安心ですよ。
また、腫れているからといって冷やしすぎることも辞めておきましょう。どうしても冷やしたい場合、冷水で絞ったタオルを使用しましょう。
氷で直接冷やしてしまうと血管が収縮しすぎてしまい、傷の治りが悪くなることもあるんですよ。
乳歯が抜けたあとの注意事項については、後程改めて紹介したいと思います。
乳歯が抜けたあと、処置が必要なのか判断が難しいと悩んでしまうこともあるので、歯医者側の意見としては気軽に相談して頂けると嬉しいです♪
乳歯が抜けたあとの食事はどうする?
直ぐに食事はしていいの?気を付けておくことはある?
乳歯が抜けたあと、基本的に食事はしても問題ありません。
ここでは、乳歯が抜けたあとの注意事項について詳しく紹介しますね。
注意事項
乳歯が抜けたあとの注意事項は、以下の通りです。
- 乳歯が抜けた場所で噛まない
- 固い物・熱い物は避ける
- 傷口に歯ブラシを当てない
- うがいをしすぎない
- 身体を温めすぎない
乳歯が抜けたあと出血がある場合、清潔なガーゼやティッシュなどを固く丸めて圧迫止血を5分程してみてください。出血が止まってから、食事をしましょう。
【乳歯が抜けた場所で噛まない】
乳歯が抜けたあと出血がない場合、すぐに食事をしても問題ありません。しかし、傷口ですので乳歯が抜けた場所で噛むのは避けてくださいね。
【固いもの・熱いものは避ける】
乳歯が抜けたあとの食事は、硬い食べ物や熱い食べ物も控えましょう。
いくら気を付けて食事をしていても、傷口に触れることで痛みがあり、治りも悪くなってしまいます。
また、血行が良くなると再び出血することもあるので、十分注意してくださいね。
【傷口に歯ブラシを当てない】
乳歯が抜けたあと、皮膚と同じでかさぶたのような膜ができています。
食事と同様に、歯ブラシも傷口には当てないようにしましょう。
時々、歯ブラシをしないという意見もみられますが、他の歯の健康や衛生面を考えると、歯ブラシはした方がよいですね。
【うがいをしすぎない】
出血が気になって、沢山うがいをしたくなりますが、傷口を塞ぐはずの組織を邪魔してしまい、出血が止まらなくなってしまいます。
うがいは軽くするだけで、出血が止まらない時は圧迫止血をして様子をみましょう。
また、舌で触ったり、傷口を吸ったりしないように注意してくださいね。
【身体を温めすぎない】
身体が温まると、血行が良くなり再び出血することがあります。乳歯が抜けた当日は、激しい運動や長風呂は控えたほうが安心ですね。
習い事は休んだ方がいいの?
抜歯している訳ではないので、習い事を休む必要はありません。万が一、出血しても圧迫止血をすればまた止まります。
しかし、痛みや腫れの程度によって判断した方がいいので、困った時にはかかりつけの歯医者さんに相談してくださいね。
乳歯が抜けたあと、出血が止まっていれば食事もできますし、数日は多少の違和感がありますが、ほとんどの場合が気にせずに日常生活を過ごすことができますよ。
この記事を読んで問題が解決したあとは、子どもの成長を喜び、家族でお祝いしましょう♪
きっと、次に乳歯が抜ける時には不安が無くなり、あなたも子どもたちも楽しみが増えるはずです。
また、乳歯が抜けたあと、その歯をどうすればいいかお困りのあなたに、以下の記事がおすすめなので、ぜひ参考にしてみてください♪
まとめ
- 乳歯が抜けたあとの肉芽は自然に治る
- 痛みが強い場合や症状が悪化し場合はかかりつけの歯医者に連絡する
- 乳歯が抜けたあとの食事は出血が止まってから
- 乳歯が抜けたあとは触らない
乳歯が抜けたあとの歯肉の腫れは、肉芽という組織で、自然に治ることがわかりました。
肉芽を触ってないのに痛みがあったり、腫れが悪化したりと症状が改善しない場合、早めに歯医者さんを受診することをおすすめします。
子どもが気にして肉芽や傷口を触ったり、自己判断で処置をしたりしてしまうと、治りが悪くなり症状を悪化させることもあるので注意してくださいね。
また、乳歯が抜ける時期や抜け方には個人差があり、それも個性のひとつです。あなたもお子様と一緒に、歯の生え変わりを大切な思い出として、楽しんでくださいね。