生後11ヶ月の離乳食後期は「カミカミ期」と呼ばれ、赤ちゃんがある程度の食事量を食べ、離乳食から栄養を摂取することにも慣れてきた時期です。
食事の量がちょうどいいのか足りないのか分からない…
美味しそうに離乳食を食べる姿を微笑ましいと思いつつも、なんだか足りない?食べすぎかな?と、不安に思ったことはありませんか?
私の娘は3回食が定着した11ヶ月ごろ、食事が終わってもとにかく食べ物を欲しがりました。
「もしかして食事の量が足りない?!」と思い、小さく握ったおにぎりやストックしていたおかずを慌てて出したことがあります。
11ヶ月の赤ちゃんはまだ言葉で伝えられないため、対応に困ることもありますよね。離乳食の量が適しているかどうかをチェックする方法や工夫のアイデアがあるので一緒にみていきましょう!
11ヶ月の離乳食の量が足りない⁉︎
11ヶ月の子の離乳食の量についてお願いします… 食べ過ぎじゃないかな?と思います。欲しがるだけあげてていいのでしょうか? 朝は私が食べさせますが…昼、夜はだいたい自分で食べてもらいます。 食べ終わって少ないともっと…って感じで要求してきます…
引用 Yahoo!知恵袋
Yahoo!知恵袋では、こんなお悩みを持つ相談者さんもいらっしゃいました。私の娘も11ヶ月の頃は同じような様子だったので、とても気持ちが分かります。
赤ちゃんの食欲が旺盛なのは嬉しいことですが、あまりにも離乳食を欲しがったり食べ続けていたりすると心配になりますよね。
しかし、赤ちゃんが離乳食をたくさん食べることに問題はありません。むしろ、欲しがるだけあげましょう。
赤ちゃんは満腹中枢がまだうまく機能していないので、「お腹いっぱい」と感じるのには個人差があります。
「食事量が足りないのかな?」「太ってしまうのでは…」といった悩みが出てくることもとっても分かります。
体重の増加を実際の数字やグラフを見て確認することや、食事を提供するときにこちらで工夫できることが様々にあるようです。調べて分かったことを次にまとめてみました。
乳幼児身体発育曲線のカーブに沿っているか
母子手帳などに掲載されているのですが、赤ちゃんの平均成長曲線と平均値が分かる成長曲線を見たことはありますか?
お子さんの身長・体重の成長を見て、大体の目安を把握することができますよ。
このカーブから極端に上回っている場合は、食べすぎではないか考えるポイントになりそうですね。
一方で、成長曲線のカーブを極端に下回っている場合、離乳食の量が足りない傾向にあることが予想されます。
赤ちゃんの食欲があれば、食事と共に離乳食や母乳やミルクを増やしてみてもいいでしょう。
<生後11か月の標準体重・身長>
生後11か月の赤ちゃんの標準体型は下記が目安とされています。
男の子の場合…69.4~78.5 cm /7.51~10.82kg
女の子の場合…67.4~76.75 cm /7.02~10.27 kg
加えて、カウプ指数という乳幼児の発育状態の程度を表す指数を使って、簡易的にチェックすることができます。
カウプ指数=体重[g] ÷身長[m] × 身長[m]
カウプ指数 | 判定 |
14.5未満 | やせすぎ |
14.5 ~ 15.5 未満 | やせぎみ |
15.5 ~ 17.5 未満 | 標準 |
17.5 ~ 19.5 未満 | 太りぎみ |
19.5 以上 | 太りすぎ |
「カウプ指数」と検索すると、数値をいれるだけで簡単にチェックできる便利な計算式のサイトもあります。
私は保育園で勤務しているのですが、数年前まで、クラスの子どもたちのカウプ指数を全て電卓を使って計算していました。
数値を入力すれば一発でカウプ指数を確認できるので、ぜひ活用してみてください!
嘔吐してしまった
赤ちゃんの胃腸は発達途中で未熟な段階です。赤ちゃんが離乳食を食べすぎてしまうと胃腸に負担がかかってしまい、嘔吐につながる原因となります。
そのため、食べすぎたときや、ゲップや咳などのちょっとした刺激だけでも食べた物が出てしまうことがあります。離乳食を食べさせすぎていないか、という一つの目安になりますね。
「量が多いこと」自体は問題ではなく、もっと食べたいと訴えるのであれば、主食・主菜・副菜それぞれの量を少しずつ増やす、全部食べたらおかわりするようにするとよいと思います。
卵や乳製品などのたんぱく質は大切な栄養素ですが、たくさん摂取してしまうと肝臓をはじめとする未熟な内臓に大きな負担がかかってしまいます。月齢に合った適量を提供しましょう。
ご飯やうどんなどの主食、野菜は食べたいだけ食べさせても大丈夫です。その場合は、糖分・油分・塩分などに気を付けて薄味にすることが欠かせません。
食事を提供するときの3つのアイデア
赤ちゃんが「足りない!もっと食べたい!」と泣いているとどうしたらいいのか…
離乳食をたくさん欲しがる赤ちゃんに、ただ量を与え続けていいのか悩みますよね。
赤ちゃんが満腹感を得られないことの一つに「丸飲みしてしまっている」ということも考えられます。
・赤ちゃんが飲み込む前に次のひとさじを口の前でスタンバイする
この2つは、無意識にやってしまいがちな離乳食あるあるです。ですが、これらをしてしまうことで赤ちゃんが離乳食を噛むことなく、あわてて飲み込んでしまうことにつながってしまいます。
食事を提供するときの工夫をお伝えするので、ぜひ実践してみてください♪
<食材の大きさをチェンジ!>
細かく刻んでいる食材があれば、お子さんが食べやすい大きさでやや大きめに切ってみましょう。モグモグするのに時間がかかるため、食べているうちにだんだん満足感を得ることができます。
食材があまりにも細かすぎたり、反対に固すぎたりするとお子さんが自分の顎を動かして噛む練習になりません。大体7㎜角くらいの大きさを目安に用意してみましょう。
手づかみが出来るようになれば、手に持って自分で食べられるような手づかみレシピを増やすのも一つの方法です♪
食べ終わるまでに時間もかかり、自分で食べるという満足感も増すため食べ過ぎを防ぐことができますよ。
また、軟飯やごはんに様々な食材を混ぜた1品の丼ぶりメニューよりも、ごはん・おかず・汁物を分けた品数のある献立のほうがよく噛んで食べることに繋がるので、満足感が得られやすいです。
<食材の固さをチェンジ!>
例えばおかゆなら軟飯にするなどと、”量を減らす”のではなく水分を減らして固さの調節をします。
離乳食がやわらかすぎると、どんどん丸飲みしてすぐに次を欲しがって食べすぎてしまうことがあるのです。固さの目安は、指で軽く押して潰れるくらいのバナナをイメージしてみてください。
お子さんが離乳食を食べるときに口をモグモグ動かしているでしょうか?生後11ヶ月となると少しずつ歯が生えてきて、自分の歯で噛んでみようとチャレンジしている様子が見られるかと思います。
また、「もぐもぐするんだよ!」と食事を提供するパパ・ママが口をしっかりもぐもぐしてお子さんに見せることも、丸飲みを防いでゆっくり噛んで食べることに繋がりますよ。
一緒に食事を楽しみながら、大人が楽しんで食べているところを見ててぜひやってみてください。
<食事をひと区切りするやりとり>
先ほどもお伝えした通り、赤ちゃんの満腹中枢の働きはまだまだ発達の途中です。
そのため、何度もおかわりをしたがったり、親の分まで食べたがったりと、おなかがいっぱいになったことを感じにくいこともあります。
まずは、お子さん用のお皿に離乳食を用意してあげましょう。パパ・ママの食事から取り分けられて口に運ばれるのも楽しい食事の一つですが、少しずつ自分のお皿で適量を食べることも習慣づけていきたいですね。
手づかみでもなんでも、お子さんが”自分のお皿で、自分の適量を自分で食べる”ということを一通り終えたあと、空になったお皿を見せて「たくさん食べたね」「おなかがいっぱいになったね」といった声をかけてみましょう。
食べ終わったことを視覚と言葉で知らせてあげることで、満腹感を意識することにつながります。麦茶を飲んでひと区切りつけるのもいいですね。
11ヶ月の離乳食の量の目安は何グラム?
離乳食を食べすぎかもしれない…どの位の量をあげればいいのかな?
おかわりを要求されると適量がどの位なのか、足りない、または食べさせすぎているのか分からなくなりますよね。
離乳食の初期の頃は「スプーン1さじ」といった明確な量での進め方があったため、後期に入り3回食の離乳食となると、どれぐらいの量が適切なのか迷ってしまうのも頷けます。
私は娘が11ヶ月の頃は、食事の様子を見て「足りないのかな?」「今日はもうお腹いっぱいなのかな?」といった具合でざっくり判断をしていました。
毎回ある程度グラム数を計っていたら、日々どれだけの量を摂取しているのか把握できてよかったのかなぁと少し反省しています。
11ヶ月頃の離乳食の目安量を表にまとめました。
<1回の離乳食の目安量>
軟飯・芋類 | 80g〜90g(大さじ6杯) |
---|---|
パン | 35g(6枚切り半分〜2/3) |
うどん | 1/3玉 |
野菜・果物 | 30〜40g |
魚・肉 | 15g |
豆腐 | 45g |
卵 | 1/2個 |
乳製品 | 80g |
こちらの表はあくまで目安なので、1回の離乳食の食事量をきっちりこの内容で進めよう!ということではありません。
3回食の中でよく食べる時もあれば、なんとなく好きなメニューじゃない時や、眠くて食べられないこともありますよね。
私の娘が11ヶ月頃は食べむらが出てきたのもあって、食べたくないものは次々と床に捨てる日もありました…。なので、1回の量が十分に足りてない日も多かったと思います。
離乳食で完全に栄養をとるのではなく、並行してミルクや母乳を与えていくので「この項目が足りていなかった!」という過剰な心配はいりません。
ただしいくら食べたがるからといって、先述した通り、タンパク質を多く与えることは控えましょう。1度に多く摂取すると、まだ未熟な赤ちゃんの内臓に負担をかけてしまいます。
どうしても欲しがっておかわりの離乳食を提供するときは、ビタミンやミネラルを含んだ野菜を増やすことを意識できるといいですね。
11ヶ月の赤ちゃんのミルクや母乳については、次の内容で詳しくご紹介しますね♪
11ヶ月の離乳食の量でミルクは必要?やめる?
離乳食をよく食べているし、母乳もミルクもあげるのをやめようかな?
生後11ヶ月で離乳食も後期の後半。離乳食に慣れて食べる量が見増えてくると、今まで与えていた母乳やミルクをどうしようかとやめるタイミングが気になりますよね。
結論からいうと、突然やめることはありません。卒乳するのは1歳以降で全く問題なく、離乳食を食べる量が増えても母乳やミルクの栄養がまだまだ必要です。
1歳になるまでは母乳や育児用ミルクを飲み、1歳過ぎてから赤ちゃんの様子を見ながら徐々に卒乳を考えてもOKです。
<ミルクの場合>
1回あたり200ml程度のミルクを1日3〜5回あげましょう。
<母乳の場合>
3回の離乳食後に加え、欲しがるだけあげてOKです。今までお子さんにしていた通りの授乳間隔で問題ありません。
また、夜中におなかがすいて泣いてしまったときも、ミルクと同様に母乳を与えても構いません。
母乳を飲むことは栄養面にプラスなだけではなく、赤ちゃんにとって心が休まる時間ともいえます。
ママのスキンシップとしてもとても大切なことなので、今だけの尊い時間をゆっくり過ごしてくださいね♪
生後11ヶ月の離乳食のスケジュールの例
生後11か月での授乳回数は食後に3回、それ以外に2回の授乳が必要で1日5回が標準です。1日の離乳食と授乳のタイムスケジュールの一例をご紹介します。
7:30 | 離乳食+ミルク(80ml~) |
11:00 | 離乳食+ミルク(80ml~) |
15:00 | ミルク(200~220ml) |
18:00 | 離乳食+ミルク(80ml~) |
21:00 | ミルク(200~220ml) |
ミルクの1回の量ですが、食後は80ml~140ml程度それ以外は200ml前後が目安です。離乳食で食べる量が増えてくると、食後のミルクや就寝前のミルクを飲まなくなることもありますが問題ありません。
もし、母乳の替わりにミルクを飲ませるのであれば、哺乳瓶からではなく、コップやストローマグなどでミルクを飲ませることをおすすめします。
11ヶ月の離乳食でパンは食べやすいけど要注意!
離乳食を進めていく中で、お子さんは食パンに慣れてきましたか?パクパクと手づかみで食べやすいのですが、食パンを提供するときに意外な注意点もあります。
生後11ヶ月で3回食となると、毎回離乳食を用意するのが大変ですよね。ストックを常備していてもすぐになくなってしまって、たくさん量を作っても追加が追いつかないほど…。
そんな時、手が汚れにくくすぐにあげられる食パンは忙しい時間にも助かりますよね。冷凍してストックできる上に用意するのも楽ちんなので、私も毎日助けられています!
どんなことに気を付けたら良いのか次にお伝えしますね。
食パンに含まれている塩分
なんと、食パンは意外と塩分が高いことを知っていますか?
6枚切り1枚の食パンには、なんと約0.8gの塩分が含まれているそうです。離乳食中の塩分摂取量の目安は1日1.5g程度なので、食パンだけで半分近い量を摂取してしまいますね。
たくさん食べるからといってあげすぎずに、1日1食までにすることをおすすめします。
また、いくら食パンが使われていたとしても、市販の惣菜パンはNG!なぜなら、マヨネーズ、バター、マーガリンなどの高カロリーな調味料に加え、添加物も多く含まれているものが多いからです。
そして、食パンにも、ライ麦食パンや黒糖パンなど様々な種類がありますが、シンプルな食パンが一番消化しやすいそうですよ。
食パンの耳はさける
食パンの耳は大人が食べるとやや歯応えがあり、トーストにすると食感が楽しいですよね。
しかし、赤ちゃんが食べるにはやや食べにくい部分です。生後11ヶ月でも、赤ちゃんによっては歯が生え揃っていない子もいます。
また、食パンの耳の部分には油分も多く含まれています。離乳食で提供するときには耳を取って白い部分だけをあげることや、サンドイッチ用のものを用意することがおすすめです。
一口サイズにする
つかみ食べが上手になってきた頃でも食パンをまるごと渡すのではなく、一口サイズにカットしてから食べさせるようにしましょう。
口に入れすぎてしまったり、噛み切れないまま飲み込んで窒息してしまったりする危険性もあります。
私は1/2の食パンを、キッチンバサミでざくざくと8等分に切ってから提供するようにしていました。
娘は11ヶ月頃に下の歯がやっと2本生えたところだったのですが、一口サイズのパンはちょうどよく噛み切れていましたよ!
食パンの手づかみレシピ
忙しい朝でも簡単に作れる食パンの手づかみレシピをご紹介します♪
<きな粉バナナミルクトースト>
◆材料
- 食パン・・・1枚程度
- きな粉・・・大さじ1
- 調乳ミルク(牛乳でも)・・・50cc程度
- バナナ・・・適量
◆作り方
- きな粉・ミルク・50ccのお湯をよく混ぜます。
- 食パンを一口サイズに切り、1の液に浸します。
片面ずつ10秒くらいでひっくり返します。 - バナナを薄く輪切りにして食パンに乗せます。バナナを乗せた面を先に下にして軽く抑えながら焼いていきます。
- 弱火で片面5分くらいずつ焼き、少し焼き目がつくくらいでひっくり返しましょう。
- 両面焼けたら完成
ミルクを使用して作ると、ミルクのほのかな甘味が食パンとバナナに合ってパクパク食べられそうですね!
食パンを使ったメニューで、バナナペーストを挟んでくるくる巻いた食パンロールを作ったことがあります。
不器用な私は時間がかかった上に、中身が出たり娘が食べるときに巻きが取れてしまったりと、あまりうまくいきませんでした(笑)
この乗せるだけのレシピは作るのも楽ちんで、お子さんも食べやすくなっていますよ!
粉ミルクを使った簡単なレシピをこちらの記事でもご紹介しています。ぜひ参考にして作ってみてくださいね♪
まとめ
- 離乳食は欲しがるだけ量をあげてOK!11ヶ月の赤ちゃんの満腹中枢はまだまだ発達途中なので、「お腹いっぱい」と感じるのには個人差がある
- 離乳食を食べすぎているのか、または量が足りないのかを判断する一つの基準として、乳幼児身体発育曲線のカーブを見たりカウプ指数でチェックしたりするとよい
- 離乳食を食べるときの丸飲みを予防するためには、大きさ、固さに注意し、自分のお皿を用意して適量を食べたことが分かるようにすることも効果的
- 1回の離乳食摂取のグラム表示はあくまでも目安量なので気にしすぎることはない
- 生後11ヶ月だからと卒乳を急ぐ必要は全くなく、ママとのスキンシップを大事にしながら今まで通りの間隔で母乳やミルクを与えていく
- 離乳食にあげやすい食パンは塩分が含まれているため適量にし、耳をさけて一口サイズに切って提供する
誕生から1年を目前にした生後11ヶ月の離乳食、たくさん食べている様子は本当に可愛いですよね。
「量が足りない!?」「食べさせすぎている!?」と悩みは尽きませんが、まずは目の前のお子さんの様子をよく観察してみましょう。
私の娘も1歳を過ぎたところですが、以前はモリモリと食べていた野菜を受け付けなくなってまた別の悩みが出てきたところです…!
「多少足りないようでも食べすぎていたとしても、とりあえず元気ならOK!」というぐらいにどーんと構えて、お子さんとの食事の時間を楽しく過ごしていきましょう♪