ピアノで指が長くなることはない!?柔軟性を高めて可動域を広げよう

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ピアノを練習していると、指が届かなくてもっと長かったらなぁ…と思うこと、ありませんか?

指が長くなると、弾ける曲の幅も広がり、練習も楽しくなりそうですよね。

しかし、いくらピアノを練習しても、指が長くなることはありません。

バレーやバスケをすると身長が伸びるというような都市伝説みたいなものです。

ただ、長くなることはなくても関節が柔らかくなって指が広がりやすくなり、指が届く鍵盤の範囲が広がることはあるんです!

指のストレッチをしてピアノを練習すると、関節の柔らかさと弾きやすさをすぐに実感できるのでおすすめですよ。

関節を柔らかくするための指のストレッチも紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。

ピアノで指が長くなることはない!?

手の大きさや指の長さは、身長の大きさの影響が大きいので、ピアノをやっても身長が伸びない限りは手が大きくなったり指が長くなることは、ほぼないです。

ただ、ピアノをやっていると指がかなり大きく開くようになるので、ピアノで指が長くなるというより、手が大きく開くようになるというのが正解です。

そして、ピアニストが指を大きく広げるために、指の間の水かきのような部分を切るというのは有名な話ですよね。

しかし、靭帯を切ることになるので、思うようにピアノを弾けなくなるはずです。

靭帯を切るということは、ピアノを弾くときに必要な繊細で細やかな動きや、手を支える機能をほとんど失ってしまうからです。

なので、ピアノの上達のために、水かきを切るというのは現実的ではありません。

しかし、水かきを切ったり、指が長くなったりしなくても、指を広げることはできます。

毎日ピアノを猛練習するうちに、指の関節が柔らかくなり鍵盤に届く指の範囲が広がるようになるんです。

つまり、指が長くなるよりも、指の関節を柔らかく柔軟にするのが大切です。

ピアノのための指のストレッチはどんな効果がある?

指は長くできませんが、ストレッチで関節を柔らかくして指の間隔を広くできます。

そして、指を動かすウォーミングアップとしてもおすすめで、メリットがたくさんあります。

ストレッチをするメリット
  • 柔軟性を高めて指の可動域が広がる
  • 繊細でしなやかな表現ができるようになる
  • 指使いが速くなり動きがスムーズになる
  • 腱鞘炎の予防や疲れを軽減する
  • 血行が良くなり手を温める

ストレッチは地味だと思われがちですが、絶大な効果をもたらしますね!

ここで、ピアノを弾くための指のストレッチを3種類紹介します。

伸筋と屈筋のストレッチ

伸筋と屈筋は、指を曲げたり伸ばしたりする時に使うので、ストレッチして柔軟にすれば指がなめらかに動きます。

指を早く動かしてピアノを弾くのは伸筋と屈筋に大きい負担がかかるので、十分に伸ばしてウォーミングアップしておきましょう。

<伸筋・屈筋のストレッチのやり方>

  1. ピアノを弾く姿勢でピアノの前に座る
  2. 腕を真っ直ぐに伸ばし、指を下向きにして両方の手の甲を鍵盤の蓋につける
  3. ゆっくり息をしながら背中や腕を伸ばす
  4. 指を上向きにして両方の手のひらを鍵盤の蓋につける
  5. ゆっくり息をしながら背中や腕を伸ばす

指が下向きの時には伸筋、上向きの時には屈筋が伸びます。

それぞれのストレッチで伸びる筋肉が変わるので、伸びているのを意識しながら行うと、よりストレッチ効果が高まります。

柔軟性を高めるストレッチ

1本ずつ指先を反らせて筋を伸ばし、柔軟性を高めましょう。

1本ずつ反らせることで、十分に筋を伸ばせるので指の疲れを取ることもできます。

  1. 肘を90度に曲げる
  2. 指先を下向きにして、指が長くなるようなイメージで伸ばす
  3. 指を1本ずつ上に持ち上げて反らすストレッチしたまま、ほかの指をゆっくりと曲げたり伸ばしたりする
  4. 反らしながら、他の指はゆっくりと曲げて伸ばしてを交互にする
  5. 指の間を広げるように伸ばす

指と指の間や、腕の筋が伸びて気持ちいいストレッチですが、力を入れて無理に引っ張ってはいけません。

痛みを感じないように、無理のない範囲でやるのがポイントです!

指先を速く動かすストレッチ

指先を速く動かせると、曲の速さに指が追いつかないこともなくなり、グンとピアノが上達します。

指先を速く動かすのに、訓練効果の高いストレッチを紹介します。

  1. 胸の前で両手を合わせて合唱ポーズをする
  2. 指の腹と指先を合わせたまま、手のひらを離して空間をつくる
  3. 人差し指を1本ずつ10秒かけてゆっくり離す
  4. 10秒かけてゆっくり人差し指をもとに戻す
  5. 人差し指を離し、指同士がぶつからないように意識しながらできるだけ早くぐるぐる回す
  6. 他の指も1本ずつ行う

最初は薬指と小指がかなり動かしにくいので、他の指よりも重点的に行いましょう。

他の指よりも重点的に行うことによって、徐々に動かせるようになるので効果を感じられます。

ストレッチは、痛みを我慢して力任せに引っ張ったり、無理に伸ばしてはいけません。

気持ちいいはずのストレッチで、筋を痛める危険があります。

必ず痛みがあれば中断して、穏やかな呼吸で筋肉を伸ばしましょう。

ストレッチ後の練習ポイント

これまでのストレッチによって、柔軟性を高めて指を大きく開けるようになり、可動域が広がります。

指の可動域を広げたら、次はそれを活かして自在に動かす練習が必要です。

指が柔軟に動かない原因
  • 不自然な姿勢になっている
  • 余計なところに力が入っている
  • 指の置き方が違う
  • 運指が自己流になってしまっている

これらは、知らず知らずに身についてしまった弾き方の癖によるものです。

例えば、指の関節がスムーズに動かないのは、手首の位置が正しい位置にあるかが重要で、手首が鍵盤より低いことが原因と考えられます。

<正しいフォームを意識する>

ピアノを弾くときのフォームで意識しなければならないのは、姿勢と手の置き方です。

なかでも、手の置き方は正しく意識するだけで、鍵盤を弾くスピードにかなり影響を及ぼします。

まず、手の置き方は手の形をたまごを握るイメージでアーチ型にして、鍵盤と手のひらを平行にするのがポイントです。

手首が平行でないと、余計な力が入るので疲れの原因になります。

小指側や親指側に手のひらが傾かないように、平行を意識するのが大切です。

傾きを平行に戻す場合には、手首を動かすのではなく肩関節を動かして肘を外に出すようにすると、余計な力が入らずに傾きを自然に直せます。

正しく手を置くのを意識しながら、弾き方にも注意してみましょう。

弾く時は手首や腕を脱力して、なるべく力を入れないように意識します。

そして、手の形はアーチ型を意識しながら、指の関節を動かして鍵盤を押しましょう。

指を無理に伸ばした状態だと、手に力が入るので、動きが遅くなり、疲れにも繋がります。

また、鍵盤を押す時は、指の動きを最小限にするのを意識してみてください。

なめらかに流れるような感覚で弾けると、無駄な動きがなくなるので指を速く動かせるようになります。

<正しい運指で弾く>

基本的なことですが、正しい運指を意識するのはとても重要で、自己流になってしまうことも多くあります。

自己流の間違った運指を身につけている人は、基本を身につけてから、曲にあった運指を覚えていきましょう。

また、黒鍵に届く場所に指先を置くと、よりスムーズに弾けるようになります。

<楽譜を丁寧に読み込む>

ピアノを弾くのは手の動きが最も大切ですが、楽譜を丁寧に読み込むのも大切です。

なぜなら、楽譜を見て理解してから脳が司令を出して、指に動きを伝えます。

脳からスムーズに司令が出せないと、指を早く動かせてもスムーズに曲は弾けません。

ピアノで指が痛いときはどうする?

ピアノを練習していると、指が痛くなるのはよくあることです。

 

痛いのは仕方がないこと?慣れると大丈夫?鍛えられてるから痛いの?弾き方がまずい?

考えられる痛みの原因はたくさんありますが、指が痛くなる練習は正しい練習ではありません。

ピンポイントに痛い箇所がハッキリしているのは、そこに重い負荷がかかっていることになるので非常に危険です。

本来の基本的な動きがきちんと出来ていれば、無理な負荷はかからないからです。

反復練習による筋肉の発達と間違えて、鍛えられているから痛いと勘違いして頑張ってしまうのも非常に危険です。

筋トレやスポーツでは、筋肉の繊維を壊して、再生して強くするので筋肉痛になるのは当たり前です。

しかし、関節や筋はこれには当てはまらないので、鍛えられてる痛みとポジティブに捉えるのは絶対にやめましょう。

そして、痛いのを我慢し続ければ腱鞘炎になってしまいます。

腱鞘炎とは、筋肉と骨をつなぐ腱の周囲を覆っている腱鞘が炎症を起こしたり、損傷することです。

手首や指を使いすぎると発症して痛みがあり、治るのに時間がかかります。

腱鞘炎になったら、なるべく使わないようにして安静にするのが大切で、悪化すると手術になることもあります。

長時間ピアノの練習をしても手を痛めないために、3つのポイントを紹介します。

<適度に休憩をとる>

練習に夢中になると、休憩をとらずに練習してしまいがちです。

疲れたと感じていなくても適度に休憩をとるのはとても大切なので、時間を区切って休憩時間を設けながら練習しましょう。

休憩をはさむことで、指や手首の負担がかかり続けないので、炎症を起こす可能性は低くなります。

<指に力を入れすぎない>

思うように指が広がらなかったり、手が小さいと、打鍵できる範囲が狭いのでどうしても力が入ってしまいます。

ピアノの鍵盤の大きさを手に合わせて小さくすることは難しいので仕方ないことです。

しかし、力を抜くことを意識するだけで、指や手首への負担は軽減されます。

そして、打鍵後には深呼吸するなどして、力を抜くことを習慣化しましょう。

<練習後の手のケアをしっかりと>

練習後は、指や手首は緊張状態なので、温めたり、マッサージやストレッチでほぐしてあげると、筋肉がほぐれて筋肉が硬くなるのを防ぎます。

しかし、触ると痛い場合は、炎症が起きている可能性があります。

炎症が起きている場合は、温めたりマッサージをすると逆効果です。

手の調子を見ながら、マッサージやストレッチを行いましょう。

まとめ

  • 身長が伸びない限り、手が大きくなったり指が長くなることはほぼない
  • 指を大きく広げるために指の間の水かきを切るのは、ピアノを弾くときに必要な細やかな動きや、手を支える機能を失うので、現実的ではない
  • ストレッチで柔軟性を高めて指の可動域を広げ、正しいフォームや運指を意識して柔軟性を活かして自在に動かす練習をする
  • 本来の基本的な動きが出来ていれば無理な負荷はかからないので痛みがでるのはあまりない
  • 手を痛めないために、力を抜くことを意識して休憩時間を設けながら練習したり、練習後は温めたりマッサージやストレッチでほぐしてあげる

ピアノで指が長くなることはほぼないですが、指が長くなるよりもストレッチで柔軟性を高めて可動域を広げるのが重要だと分かりましたね。

指や腕に痛みがある時は休憩を取ったり、マッサージをしたりしながら、楽しくピアノを練習しましょう♪